とまる時間

 帰宅後、腕時計を外す際に違和感を感じた。まだこんな時間?というやつ。壁掛け時計を見てみる。いたってリアルな時間。やんぬるかな、腕時計は6時6分で止まってしまっていたのである。
 18の時に買ったSEIKO SOLAR。太陽電池で半永久的に動く、はずだったもの。そういえばさっき路上に落としたのだった。腕に留めていたのに落ちるとは、そろそろバネが弱まってきたかなと、時計本体のことは気にせずにまた装着したのだったが、そのとき、機能停止したらしい。床に落とすことは今までも何度かあったし、ほとんど傷も付かないから安心していたのだが、内部には結構なダメージが蓄積されていたようである。
 一言で言うと、悲しい出来事。しかし耳を当ててみるとまだ微かな音が聞こえる。修理したい。まだ、使っていきたい。まだ、止まって欲しくない。
 SEIKO SOLARって、太陽電池搭載してるからこんな名前なのだと思いこんでいたが、どうやら手巻きの頃からの歴史あるブランドだということを今知った。