夕方、近所から、辿々しくも響き渡る笛の音が。小学校中学年と思しき少年あるいは少女が、夏休みを機に持ち帰ったリコーダーの合奏を披露しているのであろう、と推測した。夕涼みには結構な環境音であった。
子供の頃、何か不浄のものが「付いて」しまい、囃し立てられた思い出は誰にでもあるはずだ。すなわち汚いのである。ケガレ。それに対抗するべく我々は、現代の科学では説明できない超常完全防御装置−私らの世代は「バリア」と称した−それを「張り」つつ距離…
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