なみのないうみ

 5:00に起きて気合いを入れる。すぐ近くのガリンコ号ステーションに向かう。そろそろと明るくなり、6:00に出航。流氷は昨日岸から見たより遠ざかっている模様。波の速さを痛感。
 ツアーの団体も二組あったようで、今までのうら寂しさもふっとぶ。
 して流氷だが、それその物についての感想はさておき、いたく価値観をひっくり返されたのが、「波のない海」という景色であった。これは間違いなく湖ではなく、さらには真冬の海なのだが、そこに猛々しさはなく、静まりかえるばかりの海面がそこら中に広がっていたのだ。あってもさざ波。見たことのないさざ波。これにはささやかな興奮を覚えた。