見識の狭い携帯電話UI論

 とにかく、ボタンの無駄が多いと感じた。練られていることは確かであるが、P504iにおける、場面場面でのボタン有効利用は素晴らしいものがあったと思う。状況に応じて機能が変わるということは、転ずれば、ボタンに書いていないことを実現するといういわば隠し機能である。それは、電子機器が苦手な方にとっては到底使いこなせない、戸惑いの元なのであろう。しかし、隠し機能のままでいい、マニュアルの片隅にでも一言書いてある程度でいい、あればあったで便利に使う人もいるのだ。
 P502iでは、サイト表示中に*と#キーでページスクロールができた。P504iではこれが、通話キーで切り替えて上下カーソルという、一段階増えた(個人的には)改悪になってしまったのだが、確かにこちらのほうが覚えやすいし、直感的に操作できるのだろう。しかしサイト表示中に*と#キーに別機能が割り当てられたのかといえば、ないのである。それはP900iでも同じだ。サイドボタンがあるではないかと言われるかも知れない。しかしこの押しにくさと言ったらない。思うに、左手で持ち、薬指と小指で押すことを想定しているようだが、そんなに簡単にこの二本の指に力が入るだろうか。何よりまず、左手専用というのが「片手使用が前提の機器は左右どちらの手でも使えないとダメ」という私の主義に反する(同じ理由でIntellimouseのExplorerシリーズは使いたくないのだが…使ってる)。
 話が逸れたし、軌道修正もできない始末であるが、つまりはサイドボタン、このままでは価値がないんじゃないかと。ページ切替にしても、メニュー中ではカーソル横でできるし。文字入力の際に、例えば「え」を打とうとして押しすぎて「お」になった時に戻すボタン。これもサイドボタンになってて、そんな殺生な!と思った。押すのが大変なボタンは使いたくないものなのだ。だからこそ、*と#にページ切替機能を、というのは飛躍過ぎるだろうか。
 こんだけ不満が湧き出てくるということを逆手に取ってみれば、90Xシリーズの「第一弾」という名の罠なのであろう。便利機能は今後のシリーズのために取っておいている、と。第一弾と言えども、比較すればこれだけ進歩しているのだ。しかしそれでも、504iで当たり前に使えていた機能が使えないのは、3歩進んで2歩下がる感じだ。
 長々書いてしまったが、「住めば都、使えば腕」になっちゃうんだろうな。T9万歳だし。